メジロの餌台 その2

二月の間は、半個分のミカンが夕方までには外の皮だけになっていたのだが、三月に入って、喰い残しがでるようになって来た。
半分残るようになり、三分の一しか食べなくなり、とうとうニ三日経っても食べた形跡が無くなってしまった。
それどころか、姿も見かけなくなった。

「どうしたんかねぇ」
奥さんは心配していたが、外を車で走っていて気づくのは、今は梅の花が満開だということだ。
わざわざ街中に出て来なくても、山に美味しいものがたくさんあるのだろう。
奥さんもこのニ、三日の状況を見て、とうとう、
「今年はもう終わりにしよう!」
と言われた。

ただ、買い置きしてあった安売りのポンカンやネーブルが、手元に10個以上残ってしまった。
「さあ、毎日食べてね」
と奥さん。
メジロの代わりに、朝晩に半分づつ消化させられている。
まあ、美味しいからいいんだけどね。

今年の餌台はヒヨドリ対策の効果が大きかったので、奥さんもホッとしたのもつかの間、カラスかと思うような大きいヒヨドリが現れた。
こいつは器用に針金の交差部に爪を引掛けて、長い首を伸ばして簡単にミカンをつついている。
当然、それを見つけた奥さんは激おこ。
「何とかして!」
仕方なく、メジロがくぐれるだけの隙間を空けて、首が入らないように周囲に針金を巻いた。

 

 

要は、ヒヨドリがカゴの縁に足を掛けて首を伸ばしても、ミカンに届かない構造が必要なわけだ。
来年はカゴの上半分は20mmピッチの格子にしてやろうと思う。

ヒヨドリに横取りされることは無くなったが、奴ら、近くの枝に長いこと陣取って、メジロが近づけないようにしているから嫌らしい。
追い立てると、「チェッ、チェーイ」と悪態をついて逃げて行く。
それでも奥さんには昨年ほどはストレスが溜まらず機嫌が良いようで、メジロが食い残したミカンをヒヨドリが食べられるように別の所に置き、
ヒヨドリにもやらんとね」
と余裕のある所を見せておられる。
そのヒヨドリも、このところ姿を見なくなった。
たぶん、メジロと同じ行動をしているのだろう。
次に姿を見るのは、ジューンベリーが色付く頃か。
毎年のことなので、こちらの対策は万全。

我が家の風物詩の一つが終わった。